良い意味で「今」を生きること。

－なんでお店を始めたんですか？

前のオーナーから経営権を譲り受ける形で始まりました。もともとは違うオーナーがやってるカフェで、店長としてこの店で働いてたんです。

－そこに至る経緯も教えてください。

ちょっと昔に話を戻すと、そもそもパン屋になりたくて高校卒業と共に新潟から横浜の専門学校に進学しました。通ってる途中で洋菓子をやりたくなって、卒業したらケーキ屋に就職しようって。就活して決まった店になんとなく入社したのが、20歳くらいのとき。ケーキ屋で働いていましたが、先が見えない状況が続いて、悶々とする感じはありました。そのときに学生時代アルバイトをしていた飲食店の系列店であるカフェで、また働かないかと声が掛かりました。当時の店長を尊敬していて、またその人と働きたいというのもあって、1年働いたケーキ屋を辞め、そこの店で働くことを決めました。店長の元で働きながら、24歳くらいで店長になりました。3年くらい店長を続けたあたりですかね、オーナーが店から身を引くタイミングで経営権を引き継ぎました。

－人生なにがあるか分からないですね。もともと新潟を出るつもりはありましたか？

高校のときから上京しようと決めてましたね。小さい頃から親の出張で毎年のように東京には来てたのもあって、関東には馴染みがありました。先に姉が上京した関係で、高校のときもちょこちょこ遊びに来たりしてたっていうのもあります。同級生は皆東京いく奴が多かった中、1人くらい横浜でもおもしろいかなぁと思い、横浜の学校に進学を決めました 笑。

－なるほど！新潟での高校生活はどうでしたか？

高校のときは新潟のクラブによく遊びにいってましたね。そのときからクラブカルチャーとかヒップホップカルチャーには興味があって、クラブをきっかけに沢山友達もできました。

－進学後生活は変わりましたか？

専門学生時代は毎週のように渋谷に遊びにいってました。好きなレコードを買ったり、クラブ行ったり、飲食店巡りをしたり、そういう意味での遊び方はそんなに変わってないです。昔から音楽が好きで、新しい音楽を探しては聴いて、ってよくやってましたね。もちろん勉強もちゃんとやってましたよ 笑。

－お店の話に戻ります。独立してから結構経つんですか？

lu's cafeは独立して6年目に入ります。神奈川・東京に住んでる人はもちろんですが、新潟の人にも是非お店に来て欲しいですね。この記事を通して、新潟の皆にもお店を知ってもらえたら嬉しいです。もしお店に来ることがあったら、新潟出身だよって声掛けてほしいです。新潟の自分の仲間たちにも記事を見て欲しいですね。

－これまでお店をやってきて良かったことはなんですか？

良い意味でも悪い意味でも、自分のやりたいことがやれること。自分の店で好きな音楽を聴いて、色々な人と出会って、店を通してお客さんに喜んでもらえるのは嬉しいです。そうゆうお店を自分で作り上げていけるのは醍醐味ですね。

－逆にここがつらいって思うことはなんですか？

休みも仕事みたいな感じで、自分のまとまった時間は少ないです 泣。また、やりたいことをやるだけではなくて、安定収入のためには、ある程度大衆向けのアプローチも必要なところです。もちろん数字的な部分も多少はシビアになりますし、正直そんなにすごく儲かっているわけではないので、やっぱり経営は楽ではないです。

－それでもお店を経営するっていうのは、若者にとってもひとつの憧れだと思います。

安定はしているけど、自分の本当にやりたいこととのギャップのストレスの中で生きるか、自分の好きなようになって、全て自分の責任の中で生きていくか。後者だと仕事に行きたくないとか、そーゆうストレスがないのは魅力ですかね。仕事が遊び、仕事とプライベートの境界線がないみたいなところはあります。

－何が正解なのかって、僕もずっと考えてる気がします 笑。

どちらも向き不向きがあるので、何が正解とかはないと思うんですよね。

－お店をやりたいなあ～って漠然と思っても、なかなか行動に移せない人って結構いると思うんです。お店をやることに迷いとかはなかったですか？

まだ若かったので勢いだけはあって、お店をやることにそんなに不安もなかったですね。ずっと店長としてお店に携わっていたのも大きいと思います。ただ、やるって決まったときは経営は正直わからないことだらけでした。やる度にどんどん課題にぶつかっていって、一つ一つこなしていって、成功も失敗も経験しながらお店を作り上げていった感じです。

－独立を決めた時、家族とか周りの反応はどうでしたか？

実は、お店の経営を引き継ぐことを決めたときは、結婚する直前くらいだったんです。でも、嫁も家族も特に反対することもなく応援してくれました。実家が調理器具の問屋(主に包丁)をやってて、もともと学生時代から経営自体に興味がありました。実家は今、兄がやってますが、経営する父親を見て育っているし、両親もすごい理解があり、協力的で嬉しかったですね。嫁の実家も自営業なので、嫁側の家族にも助けられています。

－なんか羨ましいです。休日はやっぱりご家族との時間ですか？

そうですね。休みの朝は子どもを保育園まで送って、夕方迎え行くっていう感じで、昼間は少しばかりの自分の時間にしています。あとはたまに自分から休みをとって家族で遊び行くようにしていますね。この間は家族でディズニーランドに行きましたよ 笑。

－今横浜でずっと仕事をしてきて、何か思うことはありますか？

ぶっちゃけ最初は東京に憧れがあったけど、今は横浜のローカルな感じや、人が大好きですね。お店をやっていて、色々な出会いがあり、色々な繋がりができるっていうことは生きがいですね。これからもローカルの良さを出していきたいです。その手段として、必ずしも飲食にこだわっているわけではないんですけどね。

－飲食以外をやるとしたら、何をやりたいですか？

飲食以外でやるとしたらNBA選手になりたいです 笑。っていうのは冗談で、なんだかんだ自分に出来ることは飲食だと思ってます。強いて言うなら、新店舗とかを作って本当の意味でイチからお店を作っていきたいですね。今のお店は、形そのままを譲り受けたので。もちろん譲ってくれたオーナーの心意気には本当に感謝しているので、大前提として、まずはこのお店をより良くしていきますけど。

－熱い想いが伝わってきます。NBA、僕も現地に観戦に行くほど好きです 笑。

NBAは今も夜な夜な毎日チェックしていますよ 笑。

－最後に若者に向けてメッセージをお願いします。

良い意味で「今」を生きることが本当に大事です。それは、将来や先のことから逃げるというわけではなく、今ある目の前のこと、今やることに必ず意味があるということ。そういう気概で全ての物事に取り組むことで、色々な道が開けてきます。時間があるうちに、色々なものを見て、色々な人と繋がっておくこともオススメです。経験や繋がりは他の何にも変えがたい財産です。その経験や繋がりがその後の「自分」を形成していきます。とにかく、良いことも悪いことも早いうちの方が良いと思います。特に、やってみたいけど...とか悶々としてるけどリスクを考えちゃうようなことは早くやったほうがいい。体力あるうちにやらないと疲れちゃうので 笑。

－すごくわかります。

あとはやっぱり地元を大切にすること。地元はなんだかんだめちゃくちゃ良いですよ。地元の仲間って、離れてても会わなくても関係性ってあまり変わらないし、居心地いいですよね。

－僕も新潟が大好きです！今日は本当にありがとうございました！